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「誰だ?!」 「うるさいんだよ!」 「廊下は静かに!」 三人の男子が打ち合わせしたかのように順々に怒鳴る。 三人とも私服で、何をしていたのか空き教室のはずなそこから出てきた。 怒りに顔を歪める彼らと目が合い、ふと見慣れた、というか、つい最近見た顔だと気づく。 向こうも同じことを感じたのかこちらを見て膠着している。 がそれはすぐ溶け、先ほどのように代わる代わる口を開く三人に俺も声を上げた。 「なんでおまえが?!」 「ここに何の用だ?!」 「まさか僕達に会いに?!」 「昨日ぶりです市井隊長!三橋隊長!えー………副会長の隊長!!」 「二ノ宮だ!!」 「二ノ宮隊長!昨日ぶりです」 てか隊長三人が揃って何してるんだ?密会? 「どこ行ったー?!」 あ、やべ!逃亡中だったよ俺ら。 「なんだ?」 「他にも騒いでる奴いるの?」 「静かにしてよね」 「三隊長!」 「「「まとめて呼ぶな!」」」 「どっか隠れる場所ないですか?!」 「「「…は?」」」 あらほんと息ピッタリ。 「隠れる場所って…」 「なに?逃げてるわけ?」 「まさかおまえら生徒会の皆様に…!」 「違う!断じて違う!あれは風紀委員の親衛隊です!」 「「「風紀委員?」」」 息ピッタリ過ぎだよそこまで来るとわざとらしいよ! …じゃなくて、 なんか、お三方の顔が怖いんですけど。 声も若干低いっつうか…そんな声出たんすねーっていう。 つかなんで? 「ど、どうしました先輩方?」 怖くて声震えました。 だって背後から黒いオーラ出てるって! 藤井とナツみたいなオーラだよ! 「おまえ、」 「は、はい?」 「逃げてるって言ったな」 「こっち来い」 そう言って三橋隊長が自分達の出てきたドアへ歩いて行く。 「え?そこ入っていいんすか?」 「だからそう言ってるだろ?」 いや言ってないかと思います。市井隊長。 「いいからはやく、」 俺が躊躇してるのに苛立った二ノ宮隊長がこちらへ近づき、恵くんごと、俺の背中を、 押した… 瞬間、 身体中に激痛がはしった。 「いってええええええええええええええええっっ!!」
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