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中に入った俺は三人に支えられながら恵くんを降ろした。 恵くんが急いで椅子をひとつ持ってくる。後ろに置かれ礼を言いながらゆっくり腰を降ろした。 まるで八十過ぎの爺さんだ。 自分の姿を想像し情けないやら、思わずため息をついた。 そんな俺を見て恵くんが心配してくれた。 「すいません無理させて」 申し訳なさそうに視線を落とす。 「いやいや俺が勝手にやったんだし。親衛隊も俺が発破かけちゃったようなもんだし」 「なにしたわけ?」 恵くんと話していると市井隊長が割って入ってきた。 二ノ宮隊長からお茶を手渡され一口すする。紅茶よりほうじ茶が良かったなー… 「えっと、風紀委員の桐渕に俺がキレて、でそれを見てた親衛隊に追いかけられたっていう…」 「なんでキレたのさ」 と聞くのは三橋隊長。いや俺からしたらあんた達の怒ってるっぽい理由の方がわからないんだが。 「僕が桐渕先輩を怒らせたから悪かったんです。先輩は僕を庇って…だから先輩は悪くないです」 持っていたハンカチで俺の汗を拭く恵くん。なんかさっきから気使いすぎだよ将来良い嫁さん、じゃなかった婿さんになるぞ! つか汗そんなかいてたんだな俺。気づいたら寒くなってきた。 「まあ、風紀の連中なんかどうでもいいけど」 「そうだよあんな奴ら」 「だいたい親衛隊の奴らも鬱陶しいし」 わかるわかると頷きあって非難しあう三人。 あれ? 「同じ親衛隊なのに仲悪いの?」 「「「同じじゃない!」」」 おおまたハモった。 「あいつらは風紀委員の親衛隊だぞ?!」 「僕らは生徒会の親衛隊だ!!」 「変なこと言うな!」 「いや変なこと言ったつもりはないけど…」 三人いわく、生徒会と風紀委員は敵対関係にあるから親衛隊も然るに当然、ということらしい。 そんなもんかねえ? いやイケメンだから親衛隊って出来るんでしょ?当事者がどうでも親衛隊同士が仲悪くしなくても…どっちもイケメン揃いなんだし。 「まあイケメンなのは認めるけど」 あ、やっぱそうですよね。 「けどそれとこれとは別だ」 「そうかなあ…」 「生徒会の皆様にどれだけ尽くすか、気持ちの問題だ!」 なるほどこだわりというか、信念みたいなもんがあるわけか。
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