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「さすが隊長」 素直に感心してそう言うと三人は一瞬固まり、そして次の瞬間頬を赤く染めた。 あら茹でダコ。何故に茹でダコ? 「大丈夫すか?」 「「「うるさい!!」」」 「すいません!」 え、なんで怒るの?!大丈夫?って聞いただけなのに… わけもわからず首を傾げていると市井隊長がびしっと指を差した。 「というか、そいつはなんだよ!」 「…え?」 指された恵くんも俺と同じようにしている。 ていうか人を指差しちゃいけません。 そんな心の声は届かず二ノ宮・三橋の両隊長も市井隊長と共に恵くんを指差した。 「そうだ!総隊長という人がいながら!」 「他の奴と一緒にいるなんて何考えてんだ?!」 …え? 「いまなんて言った?」 「だから、他の奴と…」 「の前。二ノ宮隊長のセリフ」 「なんてって…総隊長という人がいながら?」 ……… 総隊長ってあの総隊長ですよね? 親衛隊隊長を束ねる総隊長ですよね? つまりナツのことだよな? 「何故そこでナツが…」 「何言ってんだよ」 「総隊長の恋人なんだろう?」 「あの人がそう言ってたんだぞ?」 「そ、そうだったんですか?」 ……… 「あんの嘘つき野郎おおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」 突然叫んだ俺にみんな身体を竦ませた。 しかしいまの俺はそんなこと気にしてる余裕はない。 ナツめ…人の居ない所で好き放題しやがって。 つか恋人て!せめて友人って紹介しろよ! 憤慨する俺へ怯えながらも市井隊長が声をかけてきた。 「おい、」 「…はい?」 「その…違うのか?」 「違います断じて違うつかいつ聞いたんすかそんなデマ」 「今日だよ」 「はあ?!」 二ノ宮隊長の答えに思わず声裏がえっちまったヤバイヤバイ。 つか今日って!なんだそれ?! 「ちなみに今日のいつですか?」 「さ、さっき…」 「さっき?!」 またもや裏返った。けど仕方なくない?何さっきとか。 そういや部屋の中を見渡せば円卓の机に六つのカップと椅子が置いてある。 俺がひとつずつ持ってるから全部で七つ? 「…もしかして、」 ここで?という俺の問いに三人が頷く。 「昨日のことで僕らと他三人が呼び出されたんだ」 「総隊長に報告したらおまえの説明を受けて、」 「それで自分の恋人だから手を出すなって」 ………
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