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「ていうか、そいつは何なんだ?」 話を戻す市井隊長。 三人の視線を受け恵くんが若干後退る。 うん、なんか睨んでるみたいな目つきだもんね。怖いよね。 まあその眼には気づかないふりをしてなるべく明るく説明した。 食堂で会って仲良くなった後輩、と簡単に説明する。 あ、食堂で働いてるってのは言ってないよ?内緒らしいし。 けど三人は納得出来ないのか口を曲げたままだ。 いまだ睨まれてる恵くんはすっかり身を縮ませてる。なんか可哀想になってきたな…なんでそんな眼するんですかお三方。 「ただの後輩となんで一緒にいるんだよ?」 恵くんから目を逸らすことなく訪ねる二ノ宮隊長。 なんでって…桐渕に殴られた恵くん見て思わず飛び出して… あれ?そういや恵くんってなんであの二人といたんだ? 黙って考えてたらいつの間にか全員がこっちを見ていた。いやんそんな見ないで照れる。 すんません俺きめえ。 誤魔化すように咳払いをして俺は恵くんと視線を合わせた。 首を傾げる恵くん、そんな姿も可愛いです。 おっといかんまた話が逸れた。 「恵くんってあの二人と何してたの?」 風紀の長沢、桐渕に話しかける生徒はあまり居ない。 親衛隊の存在もそうだが何より二人に隙がない、というのも理由のひとつ。 長沢はその雰囲気から周りを畏縮させ、桐渕は長沢を探すためあるいは捕まえるため絶え間なく動き回っている。 いったいどういう経緯で二人と? 名前は言わなかったが恵くんには通じたようだ。 俺があそこに行く前の話を説明してくれた。
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