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【eye’s藤井徹也】
こいつと会ってから二年目。
一年でだいたいのこいつはわかってきた。
表情が出にくいと本人は言ってるけど俺からすればわかりやす過ぎるくらい顔に出る。
…まあそう見えるようになった理由もわかってるが。
…まあそれは置いておく。
ともかく、この学園で誰より長い付き合いになるこいつと過ごして丸一年。
馬鹿だ馬鹿だと思うことは多々あったが…
「うー…」
まさかここまで馬鹿とは思わなかった。
「…馬鹿」
「馬鹿って言うなあ」
「馬鹿に馬鹿っつって何が悪い」
「うるさあい!藤井のオカン!」
「それ悪口か?」
苦笑する如月を尻目に一発殴る。
…としたいのは山々だが、今日は許してやろう。
仮にも病人だしな。
「…藤井も具合悪いの?」
「あ?」
悪いのはおまえだろ?
「殴らないから元気無いのかなって…」
………
馬鹿は健在のようだな。
如月が脇を向いて笑いを堪えてる。
治ったら泣いて謝るくらい殴ってやるから安心しろ。
…だからはやく治せよ。
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