とある三人の内心事情

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今日の朝、こいつの匂いに包まれて目が覚めた。 自分の身体は正直だ。軽く自己嫌悪に陥りながら身体を起こす。 …とりあえずシャワー浴びるか、とそのままリビングへ向かった。 自分で言い出した勝負に勝ち無理やりソファーで寝てる馬鹿はどんな様子かと見れば、クッションの上でなく床に盛り上がった塊を発見した。 布団をかぶり爪先から頭まで完全に包まっている。 真ん中が不自然なほど盛り上がり幅もソファーより小さいとこを見るとうつ伏せ、さらに膝を抱えでもしてるんだろう。まさに大福みたいな形になっていた。 熱くないのかとも思ったが普段からこうなのかと納得して風呂場へ進む。 いつもどうやって寝てるとか知らねえし、 …一緒に寝る、とか…ねえし。 それにこいつ異常なまでに寒がりだしな。 部活の仲間には半袖で動いてる奴もいるのにこいつはいまだマフラー着用だからな。どんだけ代謝悪いんだよ。 …だからいつものことと思って気にしなかったんだ。 気づいたのは飯を作る前。 如月が起きてきて俺が身体を洗ってリビングに戻った時。 「朝比奈、朝比奈」 「…ん~…」 「悪かったなこんなとこで。ベッド戻れよ」 「ん~…」 「おいって、寝起き悪いなあ」 如月の言葉にふと疑問が生まれる。 おかしい。 いつもなら声をかければすぐ起きるのに。 …いや、俺がこっちにきた時、こいつなら気づいて目を覚ましても良さそうなもんだ。 …まさか、 「おい森、」 「ん~…?」 「………」 「ふわっ?なにすんだよお…」 耳を触ってみれば風呂上がりの俺よりも熱い。 呂律の回らない口といまだ開ききらない眼を見て確信した。 「…この、馬鹿!!だから言ったんだ!」 「なんだよお近くで叫ばないでー…」 頭痛いと蹲るのを見て思った。こいつは重症だ。 部屋に備え付けてある救急箱を取り出す。 目当ての物は一番目立つところにありそれを持ってカタツムリの真似事をしてるそいつに渡した。 わけがわからないって顔で渡されたそれと俺を交互に見る。 つうかそれ渡されたらやることひとつだろうが! しかし熱で馬鹿も重症になってるのか一向に手を動かそうとしない。 耐えかねた俺は語尾を荒くして告げた。 「計れ」 「…なんで?」 なんで? いまなんでっつったか? いつもなら気づく俺の不機嫌さもいまのこいつは気づけないらしい。
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