とある三人の内心事情

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なんで寝てる奴の名前を… 不思議に思い首を動かすといつの間にいたのか細い目をさらに細め眉をしかめた馬鹿が立っていた。 この馬鹿…思わず後退っちまったじゃねえか。 上目遣いで俺と変態の両方を睨む姿に気圧されまた一歩引きかける。 なんだ… いつもと雰囲気が違うぞ… 俺とあいつが動かないでいると森はガシッと俺たちの頭を掴んだ。 掴んだっつってもそこまで手のデカくないこいつのそれじゃてっぺんしか収まらないが。 けれど半端なく圧力がかかってまったく動かせない…ような気になるほどいまのこいつは眼力が強い。 じっと見つめてたかと思うとゆっくり口を開いた。 「ケンカすんな」 ……… 「…悪い…」 「…堪忍…」 ほぼ同時に謝った俺たちを森は満足げに見つめ、置いていた手の力を緩めそのまま動かした。 数回猫か犬でも撫でるようにするとよし、と小さな声で呟き再び布団へ戻った。 呆ける如月の手を取りまた額に当て目を瞑る。 すぐに寝息が聞こえ部屋は静かになった。 ……… なんだいまの。 …ちょっと、 いや、かなりヤバいかもしれない。 頭を押さえベッドを見れば如月と目が合った。 苦笑され、俺も今回ばかりは同じように笑みを浮かべ返す。 たくあの馬鹿は… こんなことばっか敏感になってんじゃねえよ。 「なんやいまのマジ可愛ええめっさ可愛ええちょお食ってええやろかほんまあの口塞いで脱がして…」 「おまえ出てけよ」 ぶつぶつ口押さえながら震える変態。つうかキモい。てめえが赤面してんのなんかスプラッタな映画より見る気ねえよ早く出てけ。 しかしいまだニヤケ面をしたまま犯罪者予備軍はこちらに向いた。 「出ていくんはおまえやろ」 …あ? 何言ってやがる。ここは俺の部屋…いや森の部屋だが、同室の俺が出て行って何でもないおまえが何故残る? 口には出してないが伝わったらしい、わからないのかと鼻で笑った。うぜえ… 「おまえ部活やろが」 あ… 「バスケしか取り柄ない奴がサボってどないすねん」 「…別にサボろうとなんざしてねえよ」 「ほなとっとと行きや。ほおれ森ー?こいつにバイバイはー?」 マジうぜえんだけどこいつ。 ウザイ奴に声をかけられ寝ていたはずの森はうっすらと目を開けた。 こちらを見て少し眉を下げる。 「…いってらっしゃい」
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