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「おまえがなんでこの学校に入学したんか、学校入る前の経歴が全部作りもんなんはなんでか、んなことどうでもええねん。けどな…」
何故それを知ってるか、
聞く隙もなくそいつは告げた。
ひどく冷たい眼をして。
「森を巻き込むんやったらただじゃおかんで」
………
睨むその目を受け止め切れず思わず顔を逸らした。
こいつはどこまで知っている?
まさかあいつが話すなんてことは無いだろう。
怜二にはバレたが他の生徒会連中にはバレてないし。そもそもあいつらは俺のことを深く知ってるわけじゃない。
あの、一年間の俺しか知らないんだ。
ならやはりあいつが?
そんな馬鹿な。あいつがあそこの話をするわけがない。
仮にも関係者。
家のことは漏らさないはずだ。
「…聞いとるんか」
声の調子は変えず睨みつけてくる。
もしこいつが知ってるなら…
俺はどうすればいい?
どこまで知ってるんだ…
いますぐこいつの胸ぐらを掴んで意識が飛ぶくらい殴り倒して…
「理事長の甥ってことと、その理事長がおまえの経歴詐称したいうことしか知らんわ」
それ以上興味無い。
俺の殺気を感じたのか警戒の色を浮かべつつそう口にした。
これは嘘か?本当か?
「叔父の世話んなって学校通うだけの暇人に興味なんあるかい。ただ、森に危害が及ぶんは見過ごせへんねん」
「…何言ってんだ?」
俺の事情と、朝比奈がどう関係するっていうんだ。
朝比奈は、無関係だ。
…聡真と似てるってだけで。
しかし奴は俺の言葉を鼻で笑った。
「わからんか、自覚無いんも面倒やな」
「だから何言って…」
「一昨日、」
俺を遮り目の前のそいつが口を開く。
「おまえを知ってる生徒会、速水怜二が食堂でつっついて来よったな?」
「………」
「あの後、おまえ連れて森は出てった。そんで親衛隊連中に危うくやられるとこやったんや」
「…あれは…」
「おまえのせいやないて?忘れてるみたいやから言うけど、森を昼一緒に食おう誘ったんは誰や」
「………」
「…おまえやろが」
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