とある三人の内心事情

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「~っ!」 だから! 力任せに振り払うも朝比奈はそれを素早く掴む。 自分の額に持って行こうとするのを俺は全力で抵抗した。 ていうかこいつ、力強いな… なかなかもとの位置に戻らないし戻らせない。 静かな攻防が続く。 いまや両手で俺の手を引っ張る朝比奈は口を曲げ、引きながら頭を動かした。 何をするんだと思ったら、不意に、掌に湿った髪が触れた。 朝比奈が頭を押しあて必死に擦りつけてくる。 逃げようと思っても動かす先に頭もずらしずっと、長いことそうしてきた。 呆気に取られ力を緩めれば朝比奈は片手を俺の頭に置きまた撫で始めた。 …なんだこれ。 撫でながら時折目線をこっちに送る。そして合った瞬間、また頭を擦りつける。 …なに、 もしかしてと馬鹿な予測を立てて、湿って柔らかくなっている髪を梳きながら手を動かす。 朝比奈がするように撫でているとあっちは目を見開いた。 そして、満足そうに笑い、手を布団に戻していった。
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