とある三人の内心事情

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…はあ、しんどいわあほんま… これで森があのアホ、あまつさえあんな正体不明な白髪頭に取られたなんいうたらあいつらぶち殺して森を閉じ込め… ってあかんあかん、またやるとこやった。 携帯にメールが入り中身を確認する。 一通はいま、あのアホが部活やっとるいう確認メール。 そのままそこにおればええんや。 もう一通は数分前、全員集まったという呼び出しメール。 ちゃんと集まったんやな、まあ来んかったら後で会い行くだけやけど。たっぷり仕置き材料持って。 もうひとつのメールに『話はついた』という文字があったのを思い出し笑みがこぼれる。 「待たせたなあ、堪忍してや?」 場所は特別棟、風紀委員の部屋がある棟の最上階、そこの奥に位置する会議室。 円卓を囲んで座るのはもちろん、風紀委員親衛隊、隊長の面々。 「今日は集まってもろてすまんなあ。その上遅れてしもて、ほんま悪かったわあ…」 「総隊長、」 俺の喋りを遮って口を開いたのは桐渕の親衛隊隊長、菅一馬。 こちらを見る目は細く睨まれ、いまから言うことが明らか好意的でないことは見て取れた。 ま、言うことわかっとるけど。 「なんや菅隊長」 「あなたの仰ろうとしてるのはわかってます。昨日の朝比奈森についてですよね?」 おまえが森の名前を口にすな。 森の名前は昨日一昨日で親衛隊に知れ渡ることとなった。 それというのもあの若白髪やら食堂のショタガキやら、他の奴が起こした問題に首を突っ込んでいったことが要因で、まああいつらしいけど、おかげで昨日生徒会、保険医の親衛隊隊長を呼び出したんまでこいつらに知れてしもうた。 知れるだけならええけど、こいつらの目は反発する気満々、生徒会親衛隊が潔く身を引いても自分達はそうしないという意志が見える。 まったく悪い連鎖起こしてもうたな… 普段ならその様子を静観しとるけど、 「なんやわかってるなら話がはやい、」 森が関わってんなら別や。 「あいつには手出さんでくれるか?」 誰にも手は出させない。 「聞けない話です」 菅を中心に頷く隊長ども。 …たく、 「そか、」 人が優しい頼んどったのに… 「なら仕方ないわな」 おまえらもあっちの親衛隊と一緒かい。 空気を変えて四人を見ればびくりと肩を震わせた。 それを見て思わずおかしくなる。 ああ、それも聞いたんか。 なのに歯向かうなんぞ、アホやなあ… 「命令や。朝比奈森には手を出すな」
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