とある三人の内心事情

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最後の一言や。 これで聞かへんのなら話はおしまい。 聞いてるんやろ? 昨日、あいつらをどうやって従わせたか。 しかし怯えた表情は見せつつも四人は首を振った。 その理由を考えまた笑いがこぼれる。 アホやなあ… 自分達は同じことにならないと思ってる。 「僕らを脅したって無駄です!」 「おい、出てこい!!」 四人の声で会議室のドアが開く。 ガタイのいい、あのバスケ馬鹿とは違う屈強な筋肉をつけた黒塗りスーツの男が十人ほど部屋に入ってきた。 ガチャリと鍵の締まる音がする。 「僕らのガードマンです」 「逆にあなたを脅すことだって出来るんだ」 「へえ?」 …こいつら、勝った気でいるんか。 笑いが込み上げてしょうがない。 自分達を追い込んだとも知らないで。 男達はそのままこちらに向かって来て、立ち上がっていた四人の身体を拘束した。 「な…?!」 「何してる?!僕らは違う!」 必死に抵抗するあいつらを無視し男達のまとめ役らしい男が一人こちらにやってきた。 「話はついたんやっけ?」 「はい、あなたが私共の雇い主で?」 「そうみたいやなあ」 俺と男の会話を聞き信じられないと目を丸くする隊長ども。 絶望に染まる奴もいれば、怒りに震える奴もいる。 ああ、これだから面白い。 こういう、裏切られる瞬間、っていうのは。 「いかがしますか?」 「そやなあ…一番体力ありあまっとんのは誰や?」 「は、全員体力と腕は遜色ないかと」 「そうか、そやったら全員でやらそか」 昨日の話は聞いてるやんなあ? 一気に四人の顔が青くなる。 またおかしくて笑いがこぼれた。 「誰になさいますか?四人とも?」 「いやいやそんなんつまらんわ、意味無いしなあ」 そして、目を合わせたそいつはひっと悲鳴を上げ涙をうっすら滲ませた。 なんや… 腹抱えて笑いだしたい気分やな。 「菅隊長?」 「あっ!ゆ、許して…」 「いややなー命令無視したん自分ですよ?」 椅子に座ったまま、合図を送る。 「やから、せいぜいいい見せ物になってください?」 許してと泣き喚くのを見ながらテーブル下のスイッチを押した。 窓やドアにシャッターがかかり完全な密室を作り出す。 「菅隊長ー、防音にしたったんで遠慮なく叫んで結構ですよー」 ま、こっからは想像に任せるいうことで。 もちろん四人は了承したで? なんぞ変な動き見せてもすぐわかるしな。
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