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『まあ仕方ない許してあげる』 「そりゃ良かった…」 つか藤井が静かにしろってゲンコツくれたんですけどちょっと向こうの人にもやってやれよ! 『じゃ、藤くんに代わって』 「え?あれ?さっき許すって言ったよね?」 おかしいな聞き間違いかな? 『違うわよ、どうせあんた覚えてないんでしょ?あんたがどんな様子だったか藤くんに聞くだけ』 「別にわざわざ…」 『いいから代われ』 「はいただいま」 こわい。いきなりドスの利いた声になったよ。 渋々藤井に事情を話し電話を代わった。 藤井は特に嫌がる素振りもなく、まあ急だから驚いてたけど、電話に出てくれた。ほんと申し訳ねっす。 「はい。………はあ、藤井です。…まあそうっすね」 ……… 暇だ。 つか腹減ったよーご飯まだー? オカン藤井は予想通り若干引いていたが、あとは呆れ顔で同意したり、意外にも笑ったりしてる。 藤井にしては珍しい!あんま笑わないのに!! 姉ちゃん何話してんだよー?そのネタ俺にくれ。 「ああ、昨日すか」 おおやっと昨日の話ですか。 つかいまさっきまで別な話かよほんと何話してたの?! 「………は?」 ん? 「………~っ!」 は? え、なに?何が起きたの?あの藤井さんが真っ赤ですけど。口元押えてますけど。 ……… ちょっと姉ちゃんマジ何言ってんのおおおおおおおお?! つか昨日の話を聞くんだろ?!なんで藤井ほとんど喋ってないんだよ姉ちゃん知らないんだろ?! しばらく藤井は黙ったまま顔を赤くして、時折何か言いたそうに口を歪めていた。 マジ気になる… お?今度は真顔に戻ったぞ? 「…あんな奴どうでもいいっすよ」 あんな奴? って誰? あ、つか藤井不機嫌になってきてる!だからそれ俺の携帯いいいいいいいい壊さないでえええ!! てか姉ちゃん… 「っ、おい?!」 驚く藤井を無視し俺は携帯を奪い取った。 耳元で姉ちゃんの藤井を呼ぶ声がする。 『藤くん?どうかした?』 「姉ちゃん、」 『あああんたか。なに?』 「藤井に何言ったか知らないけど、あんま勝手なこと言うなよ」 怒ってるってことは腹立たしい言葉を言われたんだろう。 人の親友をからかわないで欲しい。
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