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「…なあ藤井、」 「んだよ」 「あのさ、俺の気のせいだと思うけど…なんか視線感じない?」 寮を歩いてる時、いま校舎に向かってる最中、いくつもの目がこちらに向いてるような気がした。 「気のせいじゃねえだろ。すれ違うヤツのほとんどがこっち見てんだし」 「ですよねー」 あ、やっぱりあれ見間違いじゃないんだ? 俺自意識過剰とか思って気にしないようにしてたけどやっぱこっち見てたよな。 だとしてもなんで俺達? 藤井を見てるとか?さっきからチワワ達ばっかり見てるし。 …それはないか。 いや藤井に魅力無いとかでなく、いやまさかの藤井総受け…や総攻めか、でもいいけどそうじゃなくて。 なんか、視線に半端ない敵意を感じるっつうか… ちらと辺りを見れば、バッチリ目が合いました。 …やっぱ俺ですか。 ここ最近の俺ってば調子乗り過ぎってか、武勇伝作れるよどうしようってくらいやらかしてるからなあ… 親衛隊以外からも反感持たれてもおかしくない。 さすがに隊長以外の親衛隊とか顔わかんないし、あれがそうなのか他なのかわかんねえなー… 「…うぜ」 あ、藤井がポロリ呟いた。眉間シワ寄せてますよこわい。 まあたしかに針のムシロだもんなこれ。 …俺のせいだとしたら藤井はとばっちりだよな。 ……… 一瞬、明日から別で登校する?って口にしようかと思ったけど、やめた。 多分、つうか絶対藤井がキレるから。 「いって!なに?」 「余計なこと考えてんなよ」 …ほらね。 つか心読まないでよほんと。
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