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「如月!」
おはよーと手を振れば席を立って俺達の所にやってきた。
後ろにものすごく怒りオーラを滲ませた速水怜二を引きつれて。
つかこわいよなんだよ今日みんなこわくない?!なんなのみんな女の…ゲフンゲフン!
…あー、つか男やし俺らー…
うんすんません。
「体調はもういいの?」
眼鏡の奥から心配そうな瞳が覗いてる。
ああやっぱ前髪は短い方がいいよなあ。いや眉下じゃ短いなんて言わないけど。
「なに、風邪でもひいたの」
「うんそうなんだ」
速水が話しかけてきた直後教室内の視線がさらに強くなった。
なんか呪怨めいた呟きまで聞こえるような…
つか俺は速水とそんなんじゃないよ!もうどうぞ皆さんで!俺、速水が三人とやってんのなら見たことあるし結構多人数いけんじゃね?!
「ずっと寝てりゃ良かったのに」
…ほら、こんな毒吐けちゃう俺とそんなこと疑っちゃ本人が可哀想だよ?
「良かったな、昨日はほんと辛そうだったから」
そんな速水の足を思い切り踏み潰しながら如月が笑顔を見せる。
痛そうだな速水…
つか可愛いなあ如月。如月こそワンコみたいだよパタパタしっぽ振って花が飛んでるように見えるよ。
なんてこと考えてたら頭に衝撃が走りました。
もーいいじゃんか目の保養したって!今日初の癒しなんだぞ?!
「琉見てんじゃねーよ」
あらあら速水も怒っちゃった。
如月を後ろから抱き締めて俺のこと睨んでます。なにその格好如月の頭に顎乗せてるよなにこの二人てか速水嫉妬ですか最高っすねちょっとおまえらもっとやれ!!
「痛い痛い痛い痛い痛いいい!!藤井痛いって!」
「うっせ柴犬」
「それ久々に聞いた気がする?!」
んー俺が柴犬なら如月はなんだろ?チワワじゃないしミニチュアダックスって感じでもないし…あ、コーギー?!
…って違う違うよ俺。
速水に頭突きを食らわし離れた如月は殴られた俺を苦笑しつつ見つめてる。
そんな如月に俺は向き直り頭を下げた。
「昨日はごめん。藤井から聞いたけど、俺冷えピタとかって、ほんとごめん!」
「や、いいよ別に…」
「つか大丈夫だった熱とか?移ったりしてない?」
藤井にやったように手を額へ持っていく。
あ、良かった高くない。
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