15/44
前へ
/1308ページ
次へ
「違うよ俺が作るの」 「え、手作り?うわあ超引く」 そう言って再度如月を抱き締める速水。しかもわざわざ俺から隠れるように。 ほんと好きだなあ如月のこと。もう…もう!はやくくっつけよおまえら!! あ、如月の膝があそこに…あれは…痛い、超痛いよねうん。速水もさすがに倒れかかってるし。 まああれと似たようなことを俺もやったけど。 …そういや間宮どうなったんだろ? いつの間にか如月と一緒になって速水を睨んでた藤井が口を開き俺は考え事を脇に押しやった。 うんひどくないよ?! 「つうかおまえよく貰ってんだろ。他の奴らから菓子。手作りのやつ」 「こいつが作るってのに引いてんの。あの子達はまだ可愛げあるし」 「それ以上言うならそれ再起不能にすんぞ?」 「やめて琉マジ泣くから俺…」 「「泣けば?」」 「…琉はともかくおまえにまでんなこと言われたくねーよ」 ……… 三人仲良いなあ… つかもしかして嫌われてんの俺だけ? なんか藤井には速水もソフトだし。 まあ俺だって自分の容姿は自覚してるけど…なかなか凹むわ。 はあとため息をついた頃、校舎に木琴の高らかな音が響いた。 始業のチャイムと違うそれに誰もが意識を傾ける。 そしてそれを聞いた瞬間、俺は自分の耳を疑った。 『二年F組朝比奈森、いますぐ生徒会室に来い。繰り返す、朝比奈森、いますぐ生徒会室に来い』 会長の偉そうな物言いは放送だろうと関係無いようです。けど律儀に繰り返してくれるだけ優しいよね。 ……… って俺ええええええええええええええええええええっっ?! え?なんで?!俺何かした?! 何か会長に恨まれるような… ……… …うん、あったね。 食堂の件もそうだけど、もしかしたら、一昨日のことかもしれない。 あの、中庭で如月を抱き締める会長の上に… ブルーシートを被せたこと… ……… すんませえええええええんだって他思いつかないってえええっっ!!
/1308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8130人が本棚に入れています
本棚に追加