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いまはこうして懐いてくれてる二匹だが、初めからこうだったわけじゃない。 なぜか、実は飛田さんが関わってるんだ。 ケントとルシアは生徒会メンバー以外容赦しない。 他の奴らが少しでも近づこうものなら吠え、場合によっては武力行使も惜しまない。 ただ一人、飛田さんを除いては。 飛田さんはもちろんこの道も手入れしている。 そしてこの道を通るなら必ず出くわす二匹、 彼らはどういうわけか、飛田さんにとても懐いていた。 プライドが高く生徒会メンバーにすら腹を見せない二匹も飛田さんが寄ってきただけで自ら寝転がり撫でるのを要求してくる。 犬使い!飛田さんは犬使いだ!! そして俺は例に洩れず二匹の警戒対象だったのだが、吠えたところを飛田さんに叱られ、飛田さんと一緒に撫でたりしてるうちに俺にも気を許してくれた。 一年経ったいまではこの通り、ほんとあの頃が懐かしい。 「あ、やべ」 二匹を愛でてる場合じゃなかった。 慌てて起き上がると濡れてた地面に座ってたからズボンが湿ってしまった。 うへえ…乾かないかな? 水を弾き飛ばすよう叩きながら道を進む。 すると素早くどこに行くのかと目を爛々に輝かせながらケントとルシアが脇に付いた。 ほんと可愛いなおまえら!! そして目的の窓にたどり着き、俺は意味もなく隠れながら下についた。 いや、いきなり窓からこんにちはとかびっくりするじゃん?!それにいつだったか双子があれな雰囲気になってて鼻血出しそうになったんだよまたやってないかな?! 淡い期待を込めつつ下からそっと覗き込む。その瞬間、ドンッと会長が机を叩き立ち上がった。 「…あいつはいつ来るんだ」 誰に聞くでもなく言う会長の顔は見えませんが後ろ姿は大変ご立腹なようで、あれな雰囲気どころか殺伐とした空気が流れてます。 …つうか、これ原因俺だよね? すんませんごめんなさいわざとじゃないんです!! 確かに二匹と戯れてたけど悪気はこれっぽっちも無かったから!神に誓って無かったから!! 非常に出にくい雰囲気でどうしようか迷っていると、会長を脇目で見ていた副会長、双子の三人と目が合った。
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