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目を丸くしてこちらを見る三人。 つか美形こわいな、さらにイケメソに見えるよ?神様不公平。 そんなふうに考えていると双子が声を揃えてこちらを指差した。 「「あー!!来たあ!」」 こら!人を指差しちゃいけません! …なんて言えるわけもなく。 振り返った会長の形相に俺は自分の死期を悟った。 ごめん、藤井、如月…お礼出来そうもないや…あはは。 軽く走馬灯巡りをしていると会長は驚いた顔をして次の瞬間にはまた歪めこちらに歩いてきた。 鍵を開け窓が放たれる。 「おまえ俺様を待たせるとはいい度胸…」 「「ウォンッ!!」」 会長の声を遮り轟いた二匹の鳴き声。 威嚇するように会長を睨み付けるケントとルシアを見て俺は思わず手を伸ばした。 「おいケント、ルシア、そんなことすんな!」 この人は襲ってくる有象無象からおまえらが守る人だろ? しっぽ立てていまにも飛び掛かりそうなほど頭下げるとか、これじゃおまえらが襲う方だろ?! 「駄目だろ?!この人はおまえらが守るんだから」 しゅんとして耳を下げる二匹に苦笑し、頭に手を添える。ケントとルシアがこちらを見た。 「庇ってくれたのは嬉しいけど、それでもやっぱあれは駄目だよ」 おまえらの仕事だろ? なんて言ってみたけど、わかったかな? 不安に思いながら見つめていたがクゥンと鳴いた二匹のそれは返事みたいで、伝わったかな、と俺は笑顔で頷いた。 「驚きました、」 と、和む俺の耳に後ろから声が届く。 「この二匹をそこまで従わせるなんてー」 「びっくりびっくり!」 「そうですね、私の命令より素直に聞いてます」 上から横峯書記、横峯会計、潮原副会長と感嘆の声を上げていく。 そんな中、会長だけは変わらぬ瞳で俺のことを睨んでいた。 それを感じ取った二匹がまた唸り声を上げたので慌てて制する。 「総一も殺気は引っ込めなさい。二匹に噛まれたいなら別ですが」 いつもの腹黒スマイルを浮かべさらりと言ってのける副会長。うん、やっぱ腹黒が似合う。 「なわけねえだろ」 会長は渋々こちらから視線を反らしはやく入れと悪態混じりに呟いた。 うーん、なんか速水兄弟には嫌われる運命なの俺って?
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