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「…何を謝ってる?」 「食堂で、先輩達のことよく知りもしないくせに勝手なこと言ったんで」 忘れてたのか空気が少し変わってきた。 うん、こんな重い空気、会長達には似合わないよ。 というより、ツライだけでしょ? こうなったらとことん空気を壊してやろうと俺は笑顔を浮かべさらに一言付け足した。 「まあ、如月が本気で嫌がってんのに気づかないのはどうかと思いますけど!」 あはは…と軽く、冗談みたいなノリで言ったつもりだった。 けど皆さんは軽く流してくれなかったらしい。 ピキリと空気にヒビの入る音を聞いた気がした。 「…そういえば、如月琉と一緒に居たな」 「か、会長…?」 「同じ席でご飯を食べてましたっけ?」 「副会長までそんな確認するような…」 「で、あいつ連れてー」 「勝手に食堂から出てったんだよねー」 「「捨て台詞吐いて」」 「だ、だからすみませんって…つか皆さん声低すぎじゃ…」 ヤバイ、 空気壊すどころか俺の状況悪化させちゃったよ? みんな負のオーラ出してこっち見てるよ? 「そういえば…」 会長がゆっくり立ち上がる。 その唇は三日月に刻まれているが、いまはその笑みが怖い。目つりあがってるし。 「一昨日の礼もしてなかったな」 はい、ブルーシートの件ですね? 「スンマセン!!けどあれは他に思いつかなくて…!」 「何の話です?」 「おまえらには関係ない」 まあいいですと副会長が会長の言葉に呆れながら呟く。 「こちらもそれなりの礼をしなければなりませんしね?」 「「そーそー」」 後ろから近づいてきてるような気配がして俺の身体はいまや汗で濡れていた。 あ、微妙に震えてるし。 「手繋いでたよねー」 「そのまま一緒に走ってってー」 「「愛の逃避行みたいな」」 自分で言っといて殺気増してますこの二人。ちょ、マジで勘弁して! どうしようどうすればいい? このままいくと俺確実死亡フラグ。あ、もうフラグは立ってるか。 ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!! 俺まだ死にたくない! どうすればいいどうすればこの場を切り抜けられる? 助けを呼ぶ? 否、ここは防音だったはず。俺の間抜けな叫びが響くだけだ。 逃げる? 確かに俺は足には自信がある。けどどうやって? 戦う? いやいや普通に考えて無理だし。この人達誰だと思ってんの族の幹部アンド総長、副総長だよ?
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