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校舎の中をひた走る俺をいつまでも追ってくる隊員達、まったくしつこいよ!
まあ会長に言われたからってことだろうけど…
二手に分かれるぞ!と不吉な声が聞こえたのは校舎の入り口までまだまだかかる時だった。
挟み撃ちにされたら逃げられない!
慌て方向転換する俺に倣って後ろからも少なくなった足音が続く。
たしかこっちに非常口があったはず!
廊下を何度も曲がり階段を昇るとようやく眼の端にドアを捕える頃には俺の身体は限界に近かった。
つうか俺体力無いんだぞ?!足速いだけのもやしっこだぞ?!もやしっこの体力の無さ舐めんな!!
ああヤバイ頭ん中もおかしなテンションに、っていつものことねーあはは。
最後の角を曲がろうとしたところで向こうの廊下から数人が走ってくるのが見えた。
あぶねえなんとか間に合った!
挟み撃ちにあって捕まるという最悪な展開を免れたことに安堵しつつドアに向かう。
右には窓が並び左にはそれぞれ委員会の部屋が並ぶ。
その終わりの壁には消火栓と書かれた赤い箱が付けられそのすぐ脇、真正面には非常口と書かれた扉。
よし!ようやく外へ出れる!
そう思ってノブに手をかけた。
回し、身体を前に押す。
が、それはドアに阻まれ俺の身体は扉に張りつくような形で塞き止められた。
…は?
慌てノブを回し直すがガチャガチャと途中で止まる。
どうやらロックがかかってるらしい。
ってなんでやねえええええええええええええええんっっ!!
非常口やぞ?!非常の口やぞ?!いつでも開いてるぜヘイカモンてなってなきゃあかんやろおまええええええっっ!!
激しく動揺しながらも耳は後ろから迫る声を拾っていた。
ちらと見てもまだ姿は見えない。しかし時間の問題だ。
窓は?!
いや無理、ここ三階だし。
他の部屋に隠れて!!
近くのドアに手を伸ばすが非常口と同じく鍵がかかってるようだった。
オワタ…グッバイ俺の人生…
諦め廊下に膝をつきかけた、その時、ひとつのドアが開いた…
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