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ある一室を前にして立ち止まった。
…俺は何やってんだ?
無意識に足が運んだのは、速水と如月の部屋だった。
ここに来てどうするつもりだったんだ?俺は。
戻ろう。
「………」
そう思って、どこに行けばいいかわからない自分に気づいた。
…あれ?
俺って、どこに帰ればいいんだっけ?
『今日のことは他言無用にしてくれ』
………
言われなくても…
誰にも言えないことくらいわかってる。
姉ちゃんにも言えない。
生徒会や風紀委員のみんなには絶対に言えない。
第三者なんかもっての他だ。
じゃあ、誰に…
そこでようやく気づいた。
そっか、
俺、
如月に…
「…馬鹿じゃねえの」
何考えてんだ俺?
如月は知ってるから話をしてもいいって?
「んなわけないだろ」
けど、
『琉は自分のせいで聡真が死んだと思ってる』
「………」
…そうだ…
ふらつきながら自分の部屋に足を進めた。
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