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あった。 誰も居ない部屋は静かで、 一人だから当たり前なんだけど、 本当に、たった一人になったみたいな気になる。 馬鹿か俺は。 自分に内心毒づいて俺は手に持っていたそれを持って部屋を出た。 目的のものは数日前に出したままになっていて、そういえば片付けるのを忘れてたと頭の中の自分が呟く。 それをどこか他人事みたいに思いながらもう一度来た道を戻る。 「携帯出ないんだよな?」 すると、 会おうとしていた人物の声が俺の耳に入ってきた。 「さっきからやってる。けど出ねえんだよ」 「だからー、どっかで遊んでるってえ」 「てめえと一緒にすんな」 「朝比奈は怜二と違えよ」 「どういう意味?琉までさ、ひどくね?」 ……… 「なんだよもー…、は?」 「あ?」 「なに…」 近くなった声と共に、しばらくして廊下の角から速水、藤井、如月が順に顔を出した。 「森!」 「朝比奈!!」 藤井と如月が駆け寄ってくる。 その顔はいつから心配してたのか、目を見開きそれが戻ったいまも眉がひそめられた状態で固定されていた。 二人は目の前に近づくと俺の全身を眺め、やがて何も異変がないとわかると如月は安堵のため息をついた。藤井は怒っているような、けど安心したような表情を浮かべてる。 「おまえ、その格好のままどこ行ってたんだ?」 「え?…ああ、朝比奈部屋帰ってなかったの?もしかして携帯置いてってた?」 「ほら俺の言う通りじゃーん」 「「黙れ」」 「…はーい」 「つかどこ行ってたんだよ?何とか言え」 「そうだぞ。俺達ずっと探して…」 「如月、」 「…どうした?」 「…森?」 二人とも、俺を見て表情を変えた。 訝しむような、怪訝な表情を浮かべてる。 俺はどんな顔してんだろ。 「如月、」 そんなのどうでもいいや。 「ちょっといい?」 「…なんかあんの?」 「おい森…!」 「こらこらてめえふざけんなよ?誰の許可もらって琉連れてこうとしてん…」 「ごめん」 如月の手首を掴み後ろにいる藤井と速水に視線を送る。 「如月と二人で話したいんだ」
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