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教室に着きまず如月と速水の姿に気づいた。 二人もすぐ気づき如月が手招きしてくる。 向かいながら脇目に自分の席を見る。 前の席に座る影はなかった。 「おはよ朝比奈」 「はよ」 笑顔の如月に笑顔で返す。 するといつの間に近づいてたのか速水が俺の首に腕を回しそのまま締め付け始めた。たまらずタップするも速水は離そうとしない。 「速水速水、絞まってるから、極まってるから、離して」 「うるせえ!てめえ俺の返せ」 「なに?何の話…」 「怜二邪魔」 速水の脇腹を如月が殴ると速水は咳き込みながら俺から離れた。 「そもそもてめえがやったんだろ?朝比奈に当たんな」 「こいつにやったんじゃねーもん」 「一緒だろうが。朝比奈平気?」 速水には冷たい視線を送ってた如月も俺を気遣う時には穏やかなものに変わっていた。 速水の啜り泣く姿が目に痛い。 二人の会話を聞きながら写真のことだとわかり俺は速水に頭を下げた。 「ごめん…」 「「………」」 ん? 何故かこちらを凝視する二人に俺は首をかしげた。 「どうかした?」 「いや…」 「なんでもねーよ。それより藤井は?部活?」 藤井? 「さあ?どうだろ」 あ… 思ったより低い声になり思わず二人を見た。 やっちゃった… 速水は眉をしかめ怪訝な表情を浮かべてる。 如月は心配そうに眉を下げこちらを見ていた。 慌てて笑顔を作りわざとらしいほど明るい声に戻す。 「や、ちょっと俺寝坊しちゃってさ!部屋出たら居ないし多分置いてかれたと思うんだ」 「藤井まだ来てないけど」 ……… どうしようかね? 笑顔が引きつるのを感じてたら如月の顔が近づいてきた。 「何かあったの?」 本当に、心配してくれてるみたいで、 昨日といい、俺、如月に気使わせ過ぎじゃね? 「なんでもないよ」 大丈夫、そう言って安心させようと笑ったのに如月は全然納得してくれない。 そこへ、 「いんじゃね?何も無いっつってんだし」 まさか速水が助け船を出してくれるとは思わなくて、そちらを向けばパッと顔を逸らされた。 「…ありがと」 無意識に出た言葉を速水は馬鹿じゃないのとトゲで返してくる。 それが妙に嬉しくて、安心した俺は笑ってしまった。 速水らしい、そっけない気遣い。まあそっけないのは俺にだけだけど。 けど、いつも通りな様子が何故か俺を安心させてくれた。
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