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藤井は何故か固まったまま動かないしナツもふ~んと言って黙ってしまった。 てかそろっとチャイム鳴るな。 「まあそういうわけだから…」 『そこの馬鹿に作るん?』 明日取り行くという言葉はナツに遮られた。てか名前呼ぼうよナツ。藤井もだけどさ。 「まあ…そうだな」 藤井リクエストだし。 『ほな俺チーズケーキ』 「はい?」 『俺リクエスト。明日でええよ?』 あ、明日でいいんだ?じゃあニューヨークチーズケーキとかベイクドチーズケーキのがいいかな。クリーム系は痛みやすいし。 って、いやいやいや。なんでナツの作らないといけないんだ? 「なんでケーキ」 『ホールがええな。ちっさいのでええからメッセージ付きで!』 「いやそうじゃなくて…」 『藤井には作るのに俺には作ってくれへんねやな…そおかそおか…』 「いや、だからね?」 『いつも写真わけてるやん』 うっ! 『そのお礼に。森手作りのんが欲しいな~』 そ、それを言われたら、断れないじゃないか! …まあいいか。 「んじゃベイクドチーズケーキでいい?」 『ああ森が作ったのならなんでもええわ』 「トッピングは無し?」 『アイ・ラブ・ユーて書いて…』 「無しでいいな」 『最後まで言わしてやー』 あ、箱も買わないとかも。部屋戻ったら見ないと。 『スルー?…まあええわ。ちょっとそこの唐変木に替わって』 唐変木って… けどどうしたんだろ、替わってなんて。 「藤井、」 「あ?」 …なんか呆け顔が怒り顔に戻ってるんだけど。さっきの3割増しで。 「ナツが替わってって」 あ、さらにひどくなった。皺クセになるぞ。
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