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席を一瞥すると転校生はあからさまに唇を歪めた。 その席はあの会長の弟、速水怜二の隣の窓際だった。 まあ定番だよね! 速水が手を振って彼の名前を呼ぶ。 その顔に笑みを浮かべればあらすごい、内山親衛隊と速水親衛隊の共演だわ。 てかうるさすぎるよ!! 隣のクラスも何事かと思って見に来てるじゃん! って先生あんたは来ちゃダメだろ。いや生徒もダメだけどさ。 「俺あそこヤダ」 うんやっぱり良い声。 「じゃ俺の隣に来るか?」 内山が教員用の椅子に手を置く。いやそこ机無い、ってそういう問題でもないか。 「………」 思い切りため息ついたよ転校生、あ、如月。 如月は自分に引っ掛けようとした奴の足を踏みつけながら奥に進んだ。 うん、なかなかひどい。わざわざ止まって踏んだよあの子。 どうやら内山だけでなく彼もいい性格のようだ。 …って!あぶねー!! あまりの驚きぶりに唖然としちゃったよ何してんの俺ええええええっっ!! いや唖然じゃねえななんて言うんだ?我を忘れた?見惚れた? まあそんなのはどうでもいいんだよおおおおおおっっ!! 転校生だよ転校生だよしかもお約束な王道転校生だよヤバいよ俺いま死んでもいいやつうか夢じゃないよね? 頬をつねる。 あ、痛い。 夢じゃないんだああああああああっっひゃっふうううううううううっっ!! はっ!こうしちゃいられない!! テンションMAXどころか吹っ切った俺は携帯を開いた。
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