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慌て飛び出した俺は何故か藤井の鞄まで持っていた。 いや勢いついて? もう俺のと藤井の弁当わざわざ分けて持ってったら食堂イベント見れないじゃん。 「待てこの馬鹿、おまえ、なんで足は速いんだよ?!」 「はやく藤井!」 「あっ…!」 藤井が何か見つけたように眼を開いて声を上げた。 と同時に何かにぶつかった俺は盛大に尻餅をついた。 痛い… てか何? 「っ、てえ…」 …ん? この声はもしや… ゆ………っくり顔を上げた俺の前にいたのは、痛む背中を押さえる王道転校生だった。 やったね追いついた! …じゃなくて! 「悪い!大丈夫?!」 「いや、おまえの方が…」 そう言った如月の目は俺の両脇に向けられている。 ならって見ると、見事ぶちまけられた俺の鞄と藤井の鞄の中身が… や、ヤバい! いやいやけどやっぱり如月のが先でしょ!俺がぶつかっても倒れないとこ見るとバランス感覚はいいみたいだけど。 ちなみに俺如月の頭半分は身長高いんだぜ? そんな俺が倒れて如月は平然としてる…あ、なんか情けなくなってきた。 「なにおまえ琉にぶつかってんの?」 俺が凹んでると如月の隣から軽い声音、なのにひどく恐怖を覚えさせるオーラが発せられた。 顔を上げれば睨み付けてくる速水と、そして何故か間宮と飛田さんが二人の向かい側に立っていた。
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