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「なんで二人がいるの?」
そう俺が言うと四人とも首を傾げた。
あ、そっかこれじゃ誰かわからない。
「なんで飛田さんと間宮がここにいるの?」
そう言うと速水と間宮の眉間に皺が寄った。
え、俺なんか変なこと言った?
ほら!如月も俺と同じような顔してるじゃん。
あれでも飛田さんは苦笑してる。
ホワイ?
「…おまえ、琉に謝るよりそっち先かよ。俺のこと無視しやがってさ」
「あ!そうだよ如月平気?!」
「だから俺よりそっちの方がひどくない…ですか?」
うわそんな無理やり敬語にしなくても、悶えるだろ?
第一タメなんだから。
「いいよ敬語。無理にしなくて」
「え…」
「タメだしさ。口調とか作る必要ないって」
まあどんな喋り方でも聞こえはいいけど、如月の声は。
でもやっぱり自然が一番。
「ほんとごめん」
「…や、俺こそ。立ち止まってたし」
「気にしない気にしない!じゃ、食堂行こう?」
「「「ちょっと待て」」」
おっと、声がみっつ重なったぞ?
如月に向けていた視線を周りに向けると、重なった声の速水、間宮、あと何故か藤井がお互いに顔を見合わせていた。
「どうしたの?はやく行かないと昼休み終わるよ?」
ちょっとみんなしてこっち向くのやめてください怖いから。特に速水。怖いよその目。
「なに勝手に琉と行こうとしてんだ?俺が琉と行くんだよ」
「へえ、如月くんは速水怜二と仲良かったんだ?」
「いえまったく」
「りゅーうくん?俺とおまえの仲じゃん?」
「喋り方きめえ」
「もう照れちゃってえ」
そう言いつつ俺を突き飛ばして如月の腕を引く速水。
俺が、嫉妬萌!と考えるよりはやくふたつの低い声が響いた。
「「何すんだよ?」」
それは藤井と如月から出されたようだ。
二人とも速水を睨んでる。
…え、つかなにこの状況?
さっきまで如月巡ったイケメン二人のバトルだったじゃない?
なのにこれ…え、藤井は、庇っててか心配して、くれた?じゃ如月も?
…良い奴だな二人とも。
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