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「聞こえなかったか?退けと言ってる」 会長様は律儀にももう一度言ってくださいました。 いや聞こえてるよ? ただいきなり話しかけられたことにびっくりというか。 つかなんで俺のとこ…あ、如月の前だもんな。 おお隣でなく前に座るんですね全員で如月囲んで昼食。如月包囲網の完成っすかなにそれ素晴らしいよ。 「…おい」 「は?!なんでございましょう?!」 会長睨んでるこえーって痛い!!藤井くん頭チョップしたでしょ?!振り向かないけどわかるんだからな!! 「おいいい加減…」 「退くことないよ」 会長の言葉を遮り如月が呟いた。 全員の視線を浴びながら最後の一口とお碗を傾けて流し込む。 器を置いてご馳走様と手を合わせた。 てか口まだ入ってるし。ハムスターみたいなことになってるよ頬袋パンパンだよかーわいーいー! …ん?なんかテンション戻ってきたかな? すると如月は立ち上がり俺と藤井の名前を呼んだ。 「行こうぜ。もう食っただろ?」 教室に戻ろうと言ってこちらへ歩いてきた。 「琉!俺置いてくの?!」 速水弟がまだ残ってるグリルに箸をつけたまま叫ぶ。 兄弟揃って鶏好きですかっていやそれより如月いいの? 「そいつらと食えばいいだろ」 「私達はまだ食べてないんですが」 如月の一言に文句言ってる速水弟をスルーして副会長がこちらを見てる。 なんか笑ってるけど怖いよ不機嫌になってるよ。 「知らね」 「「一緒に話そうよ」」 副会長よりさらに不機嫌な表情で一刀両断してると双子が並んで椅子を持っていた。 座る気満々ですね。 「話すことなんかない」 「待て」 だんだん語尾が荒くなってきた如月の腕を会長が掴んだ。 痛かったのか如月の唇が歪む。 「触るな!!」 「…藤井、頼んだ」 「は?あ、おい…」 「とおっ」 「「?!」」 驚く会長と如月。 繋いでる手って上からより下から切ると簡単に離れるんだぜ? 離れたのを見て宙に浮いた如月の手を掴む。 わけがわからないって表情を浮かべたままこちらを見てる。 そして俺は、 「朝比奈…?っ、おい?!」 如月の手を引いて逃亡した。
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