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「………」 「………」 無言で進む俺とそれに無言でついてくる如月。 走るのは、やめた。 疲れたし。如月ももう大丈夫だろって息切らしてたしほんとごめん。 …つか、俺、 や・ら・か・し・た!! 「ああああああああああっっ!!」 「うわ?!」 突然しゃがみこんだ俺にびっくりしたのか如月が変な声出した。そんな声も綺麗です…ってちげえよさっきの反省だよ俺。 だってせっかくの楽園だぜ?パラダイスだぜ?桃源郷は目の前にあったんだ。 なのにモブよろしくな俺がそこへ介入しヒロインを連れ去りあまつさえ、 『しつこい男は嫌われるっすよ!』 何様だ貴様あああああっっ!! 俺なに?!え、なにシヌの?!どっか脇の溝にでも頭突っ込んでやり直せ人生!! けど、あの場から離れたのは後悔してない。 いや俺が如月連れてったのは正直頂けないけど、俺より王子様のがいいけど。 …でも、 『触るな!!』 如月が本気で嫌がってたから、 なんでこの人たちわかんないかなーって頭きて、 やっちまいましたてへっ! 「ごめん如月」 「は?なにが?」 「や…」 「…別に気にしてねえよ。むしろ助かったし。…ありがとな」 そう笑う彼の表情は、 嬉しそうなのに嬉しそうじゃない、 悲しそうなのに悲しさに気づいてないのか苦しそうな、 そんな表情をしてた。 さっき後悔してないって言ったけど撤回する。 俺が動いちゃダメだったんだ。 きっと俺が何もしなくても他の奴が気づいてなんとかしてくれたよ。 ほんと、馬鹿だな俺。 「ごめん」 「だからいいって…」 「そんな顔させたかったんじゃないんだ」 「…は?」 驚き、こちらを見て固まった如月に頭を下げた。 「ごめん」 「ちょっと、」 ん?如月の声にしては高いな。 顔を上げれば如月は俺の後ろを見てた。 振り返った先にいたのはどこかで見た覚えのある顔、それも複数。 「よくも生徒会の皆様に恥を…」 あ、わかった。 親衛隊の子たちだ。
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