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「如月…」 泣いていたかもしれない。 最後は、俺がそう錯覚したとかでなく、本当に。 呼んでも戻って来ないとはわかりつつ思わず呟いた。 けれどやはり消えてしまった廊下は誰も姿を見せず、俺はため息をついて自分の痺れる手を見た。 『なんなんだよおまえは!!』 あれは何を言いたかったんだろう。 ていうかお礼言えてないし。 助けてもらったわけなのに。 いややり過ぎではあったけど。 ……… ってそうだよ!!皆さん倒れっぱなしじゃん!! 振り返ればあらすごい、血塗れの、ってほどじゃないけど廊下に倒れるひと・ひと・ひと。 まさに屍の山ってわけだね!いや山じゃなくて道か。 ってそうでもないだろ!! えーと、とりあえず保健室に連れて行かないと… でも俺そんな力無いし。さすがにこの人数運ぶのは… 「あ」 「「「?」」」 俺の目にいまだ身を寄せ固まっている三人が止まった。 三人も俺を見てたらしく目が合う。 「ねえねえ」 「ひっ…!」 ありゃ、怯えてる。 「そんな怖がらなくても」 どうしたもんか… …あ、 「見てて」 「「「?」」」 さあとくと見さらせ! あの姉ちゃんをも抱腹絶倒に陥らせた俺の姿を…!! 「…ねえ、」 「し、喋るなって、ぶはっ」 「はー、はー…あはははは!」 「げはっ、許してえー…!」 「………」 皆さん今度は腹抱えて動けなくなりました。 一緒に運んでもらいたかったのに… あ、変顔詳細は無しで。 だって恥ずかしいし。 「「「あははははっ!!」」」 つかそんなに笑わなくていいよね?!
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