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まあいいや。とにかく怪我人をなんとかしなきゃ。 「先生、急患です。早く診てやってください!」 「その子達?」 間宮が示したのは隊長三人だった。 見つめられた三人は赤くなって顔を背けている。 かわえーなー… 「って違います!いや、この三人も立てないから休ませてやって欲しいけど、」 「立てないの?」 そう首をかしげる間宮はやはりイケメン、可愛らしい仕草も様になってます。くそうイケメンめ。 まあそんなことはいい、早く三人を中に… と思ったのに三人は間宮に尋ねられた途端 「「「いいえ!」」」 と元気に立ち上がった。 …ってええええええええええええええええええええええええっっ?! 「そこの馬鹿が勘違いしただけです!」 「そうです!僕たち平気なのに運ぶってうるさかったからです!」 「ご迷惑おかけしました!」 「え、ちょっと先輩…」 「「「それじゃ!!」」」 顔を真っ赤にしたままな先輩方は凄まじい勢いで去っていきました、ちゃんちゃん。 …ってええええええええええええええええっっ?! なに馬鹿って!いや馬鹿だけど!なに勘違いって!なにご迷惑おかけしましたって! 俺一人にしないでええええ!! 「…で、他の怪我人っていうのは?」 ああやばいやばい、あまりのショックに意識飛んでた。 間宮がこっちを疑わしい目付きで見てる。 「三階です。第二棟の廊下に…」 「はあ?そんなところまで僕に歩けっていうの?」 そんなところって隣の棟じゃねえかたいした距離じゃねえよ。 人三人運ぶには遠いけど。果てしなく。 「僕が行く必要ないでしょ。薬局行って包帯とか消毒薬買って自分でやりなよ」 ああもう面倒くさいだけだろあんた! 職務怠慢で訴えるぞ?! はあと思い切りため息をついたら睨まれた。 おお結構眼力あるっすね。 これをチワワ達が見たらバキュンとハートが撃ち抜かれるんだろうなあ… しかし俺はそれについては触れず手を前に出した。 間宮が怪訝に眉をひそめる。 「なにその手」 「薬箱」 「は?」 「薬箱、あるでしょう?薬局まで行ってたら時間かかるんで貸してください」 この人に頼んでたらきっと陽が暮れる。
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