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「………」 「………」 「…あの、」 なんかさっきからずっと睨まれてるんだけど。 え、何のプレイ?視かゴッホゴッホ! …あぶねえあぶねえNGワードを発するところだった。 てかそんなプレイ俺じゃなくてチワワとか、飛田さんとかにやってください僕見てる。 「…どんな状態?」 「へ?」 何が?俺の頭が? すでに末期ですが。 「怪我人。骨折れてる奴とかいる?」 あ、そっちか。 「や…ちょっとわかんない、です」 「そんなこともわかんないの?」 すいませんねえわかんなくて! 「ほら持って」 「え、」 あ、薬箱。 木で出来た茶色の箱は何が入ってるのか疲れた腕には少し重かった。 「ど素人に診られたら向こうも迷惑でしょ。早く行くよ」 え… 「先生も行くの」 「保険医だからね」 ……… なんだ、良かった。 「先生ってちゃんと先生だったんだ」 「どういう意味?」 「職務怠慢かと思った」 「へえ、正直だね」 「すいませんごめんなさい」 そして間宮と二人、再び三階廊下に戻った俺の前には、ひとっこ一人いない廊下が続いていた。 あっれえええええええええええええええええっっ?! あ!もしかして自力で起きて帰った?!なーんだ良かった。 でも大丈夫だったのか? 普通に鼻血流してたし。 泡吹いてた奴もいたのに… 「おい、」 「はい?」 「これはどういうことかな?」 後ろを振り向けば笑顔を浮かべた悪魔が立っていました。
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