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「されても良かったんか」 ナツの顔が近づく。 「好きでもない奴と、無理やりされようとしとったのに、嫌がりもせんで…」 息がかかる。 熱いそれに、いまナツはどれだけ怒ってるのか考えた。 「未遂やったけど、ほんまにされてたらどうするつもりやったん?」 「…けど、されなかったし」 思わず口を開いた。 でもすぐそれを後悔した。 慣れてきた目に映ったのは、悲しそうに顔を歪めるナツだった。 「…してへんでも、」 ナツの目が揺れる。 「好きな奴が他の奴としそうなん見て、平気やと思う?」 涙を浮かべてるのか、僅かな光を宿して、揺れる。 左の手が顎を掴み、さらに距離が縮まる。 「俺は未遂にはせえへんよ」 その言葉が届いた次には熱い唇が俺の口を塞いだ。
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