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話し終えた俺は鼻をかもうとティッシュに手を伸ばした。 涙もやっと止まり、まだしゃくり上げて情けなかったけど、話す前より幾分か楽になっていた。 『そりゃあまた、馬鹿やったわねえ』 「…ほんとにな」 慰めるでもなく責める言葉に思わず笑った。 姉ちゃんは昔からわかってくれてた。 俺が誰かと喧嘩した時も、 「また馬鹿したんでしょ」 そう言って俺が、自分がこうしたから相手を怒らせたとか相手を泣かせたとか話すのをうんうん頷いて聞き、 『じゃあ何をしなきゃ良かった?』 そう聞かれ俺は考えた。 『親衛隊の子たちは?』 「…会長の手叩いたり、生徒会のみんなに捨て台詞吐かずにきちんと説得してればまた違ったと思う」 『リューくんは?』 「…如月は、わかんない。けど、今度聞いてみる。聞いて、治す。ちゃんと謝ってないし、お礼も言わないとだし」 『じゃあ間宮先生は?』 「…如月の話を出さなきゃ良かった、とも思うけど、何より責めるようなこと言ったのが良くなかったと思う。先生、自分でも気づいてたみたいだから」 『じゃあナッツんは?』 「…俺が、されそうになった時、思い切り抵抗すれば良かったと思う。それに、もしあのまましてたら、先生も傷ついてただろうし」 『…あんたも変わらないわよね』 「へ?」 『で、どうするの?』 「………」 やることは、決まってる。 『写真、忘れないでね』 「わかった」 ありがとうと一言言って俺は通話を切った。
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