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どうしようどうしよう… 俺は一人廊下で右往左往していた。 どうしよう… このまま二人を放っておくのは俺が嫌だし。 傘を持って行こうにも会長は如月抱き締めてるから手使えないし。 いや俺が差してたら何こいつ邪魔状態だからね?黒子衣装なんか持ってないし。 けどこのままじゃ二人が… うんうん唸っていると渡り廊下の隅に置かれている物体に目が止まった。 こ、 これだああああっっ!! う、意外と重いなこれ… とにかくいまは会長と如月にバレないようこれを… そう思いながら青い物体を引きずりながら二人に近づく。 しかし、というかやはりというか、 会長がこちらに気づいた。 うわあ会長ってそんなに目開けるんですね? 切れ長の流し目だから細い印象しかなかった! …てか凝視されてるよこええ。 ごめんなさいすぐ去りますから許してくださいそのままヒロイン・ヒーローよろしくしててください。 …あとこんなのしか思いつかなくてごめんなさい。 俺は心の中で謝罪を述べながら頭を下げた。 そして手にしていたそれを思い切り振りかぶり、 次の瞬間、会長と如月に、 ブルーシートが被さった。 ……… ごめんなさい。 パッと見青くてデカイ横長の物体にしか見えなくなった二人を見て改めて謝罪した。 なんだこれ。 思わず自分のしでかした奇行に絶句する。 これは…ないわ。 何秒、あるいは何分かたったのか微動だにしなかった物体が微かに揺れた。 その姿が恐ろしく、てかその下にあるだろう二人の顔を想像しただけで寿命の縮んだ俺はもう一度頭を下げてその場から逃げ出した。
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