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じっと眼鏡越しにこちらを見る如月。 もう無理だと諦め俺は両手を上げた。 「ごめん、如月から聞いたってのは嘘」 「じゃあなんでわかった」 「なんでって、」 王道転校生の必須条件だからさ君。 …とは言えず。 「えーと…なんとなく?」 「なんとなく?」 おうむ返しで返されました可愛いなあ。 て違う違う。 如月信じてないし。 「や、日本人ってもともと黒髪じゃん?如月のそれ自毛にしては艶が無いっつうか死んでるみたいだし。パーマかけてるわけでも無いのにやたら厚みあるし。違和感バリバリっていうか、鬘かなーって思って」 「………」 おお凝視されてる。 やっぱ信じられないよなあ… けど嘘はついてないし。 転校生じゃなかったとしてもこれ気づくって。 藤井くんは鈍感なんだよ! 「何考えてんだてめえ」 おっといつの間に背後に。 頭をかかえる俺を尻目に藤井は温め直したご飯を如月の前に並べた。 如月は藤井に一言礼を述べてまたこちらを見る。 「んーと…信じてもらえないかもしれないけど本当にそう思ったの。とにかく早く乾かしてさ、ご飯食べよ?」 ね?と促すとしばらく黙っていたがやがてため息をついて視線を落とした。 「そうだな」 そう呟いて髪に手をかける。 するりと簡単に外れ元来そこにあるものが明らかになる。 …あ… 白と灰の間のような曖昧な色。 どこか浮世離れした艶やかな髪。 肩まで伸ばされた細いそれは俺が見たあれより若干長い。 けど、間違いなく見たことある。 如月だ… あの写真の少年は、如月だったんだ…
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