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「はぁ、う゛ぁあ!!は、ぁ……」
グイッと拭ってやると、さらに腹部がギシギシときしんだ。
それとほぼ同時に彼女の眉が下がった気がする。
さらに、店内には悲鳴の嵐が舞う。
雷が光る。
彼女が苦しそうに笑う。
「うっ、うぅ……」
ナゼ、カノジョハナイテイル?
「貴方が!! 貴方がいけないの!! 私を、夢中にさせるから!!」
「あ、いこ……さん?」
苦しい。
息をする事すら億劫すぎる。
「貴方は、私には似合わない……。いっそ、捨てられる運命ならば、私の手で愛して、愛して……殺して上げるの」
そう言う彼女の白雪のような肌には、俺の鮮血が染みをつくっている。
まるで白いユリの花に一色の紅を差したかのように――。
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