サワンギリティーと歪んだ愛情

9/9
前へ
/11ページ
次へ
「杉本さん!!」 遠くで愛子が泣いている気がする。 最初で最後の愛しい愛子。 もう一度―― 「杉本さん!!!」 もう一度、生まれかわったら今度はちゃんと愛し合おう。 愛してる……。 遠くでドガァーーッと雷が堕ちた音がした。 同時にピカッと光り輝く。 俺が声にならない声で、何度も呟くと 「うん、うん、私も愛してるわ!!」 彼女は何度もうなずいた。 嗚呼、笑えるじゃないか。 今までの中で、一番綺麗な笑顔じゃないか。 青白く光る雷に写し出された彼女の顔は、涙を流し…… 綺麗な三日月を生んでいた――― END
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加