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「杉本さん!!」
遠くで愛子が泣いている気がする。
最初で最後の愛しい愛子。
もう一度――
「杉本さん!!!」
もう一度、生まれかわったら今度はちゃんと愛し合おう。
愛してる……。
遠くでドガァーーッと雷が堕ちた音がした。
同時にピカッと光り輝く。
俺が声にならない声で、何度も呟くと
「うん、うん、私も愛してるわ!!」
彼女は何度もうなずいた。
嗚呼、笑えるじゃないか。
今までの中で、一番綺麗な笑顔じゃないか。
青白く光る雷に写し出された彼女の顔は、涙を流し……
綺麗な三日月を生んでいた―――
END
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