束の間の

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長い髪が海風に揺れ、優しくダンスしているようにみえる。 金色に染まった白いワンピースが時々青白く色を色を変え、きらきらと輝いた。 白く細い足が軽やかに砂の上を移動する。 誰だ? 心の中でそう呟いた私に、少女が振り返った。 白い顔には懐かしさが込み上げている。 黒い瞳は私に注がれていたが、私には彼女がもっと深いところを見つめているように思えた。 少女は私を見つめながらゆるやかに左右に揺れていた。 一定のリズムで、波のように。 私も目を逸らさずに少女を見つめ続けた。
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