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眉をひそめて、ちょっと不機嫌を募らせてる。
画策の通りに動くきみのこころも行動もぜんぶ愛らしい。
俺の。これは俺のもの。
「……あそびに連れて行ってあげる、イニスの行きたいところ」
俺の唐突の提案に、イニスはぽかんと口を開いて、まるい瞳で見つめ返してくる。
ぱちぱち、と二度、まばたきをして―――ようやく思考がぐるりと巡ったのか、イニスは身体を跳ね上げるようにして起こした。
ほんとう?、ジョシュアほんとう?、って驚きと喜びに満ちた声と顔。
うん、本当、って俺も笑う。
きみを喜ばせたい、ただそれだけ、っていう、そういう邪気のない笑顔を作り上げる。
そうすれば―――ね、きみはやっぱり耳まで真っ赤にして、きゅ、って唇を結ぶ。
俺のこと愛しい?、だけどどうしたらいいかわかんないんだろ?、だってもうただの友だちではないもんね。
だけど俺はきみの手を引かない、導かない。
ほしいのなら、イニス、きみから来てね。
俺がエルからきみを奪ったように、さ。
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