正義のヒロインと王子様

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「夏希さん、学校遅れちゃうよ?」 「……う…ん…っ、あと5分……」 そう、真が起こしに来ることだ。ここ毎日と言っていいほど起こしに来る。 (もうほっといてくれよ…今は眠い眠い眠いっ!!) 私は布団を被り、潜る。 「夏希さん、夏希さんてば~っ」 真は私を呼び続ける。 「真、うるさい……」 私はまだ寝たかったので、真を突き放すように言った。 すると、 「……じゃあ夏希さん、…あと10秒で起きないと…キス…するよ?」 と、とんでもない言葉が返ってきた。 (でもどうせ、冗談だろ…) そう思い、眠り続けると、真が10、9とカウントし始める。 すると、あと5秒のところでまだ目を瞑っている私の頬に何か手のような物が触れた気がしたが、無視し続ける。 そして、あと2秒のところで不意に吐息を感じ目を開けたら―――
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