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「所長...神木 竜二は、双眼鏡を選んだようですね。」
竜二のいる部屋をモニターごしで眺めていた男が、スピーカーのスイッチを切ると、思わず声を上げる。
ふん...
「少しは期待していたのだが...所詮は、只の素人か。とは言え、この状況で懐中電灯を選ぶ奴は、よっぽど優れた観察力のある者くらいか。」
所長と呼ばれた男は、ソファーに腰かけたまま、高級そうな葉巻をくわえると、美味しそうにそれをふかし始めた。
「おい...清掃班を準備させるように伝えろ。仏がまた一つ増えるとな。」
「はっ。」
そう命令を受けた男は、インカムで指示を送り始めた。
「どうやら期待はずれだったか。」
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