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薄もやがかかる中、双眼鏡の先で見たロープは、右側の方が遥かに細い。
それどころか、まるで紙で出来ているような材質に見えたのだ。
ひょっとして右側のロープは、簡単に切れて助かるんじゃ...
『やっぱり、双眼鏡を選んで正解だった。』
レンズ越しに、思わぬ収穫を得た竜二は、少しの笑みを浮かべた。
ん?
いや、まてよ...
双眼鏡を目から離そうとした瞬間、竜二は妙な違和感に気付き、再びレンズに目を通す。
!!!
すると、目に飛び込んできたのは、右側のロープの真下にある、赤黒く変色した床だった。
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