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三人くらい前の者だろうか...
サブマシンガンを両手で抱え、まるで何処かにでも、戦争に行くのではないかと思うような、重装備をした若者に渇を入れられていた。
ここはどこなんだ!?
何故、俺はここにいるんだ?
時たま、チクリと痛む頭を右手で抑えながら、竜二は自分が置かれている現状を必死に思い出そうとする。
オレンジ色の淡いランプのみで照らされた、西洋風の壁。カーペットなどは無く、コンクリートが剥き出しになった荒れた床...
これらの景色には全く覚えがなく、鋭く観察するも、竜二の記憶の鍵が開くことは無かった。
覚えているのは、自分の名前だけ...その他の事は何一つ覚えていない。自分が何者で、何故このような場所にいるのか...
くそ...ヤメだヤメ...
こうして、思い出そうとする行為も、三時間ほどたった頃には、諦めへと変わっていった。
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