メトロ症候群

街

死だ
死が充満している

鼻が曲がるような
生きた死臭が蠢いている

空虚さを着飾って
煌びやかな仮面を被り
プランクトンの様に浮遊して
一体何処へ行こうというのだ

賑やかさに包まれて
華やかさを失った廃墟に
一体何があるというのだろう

書物には肥大化する妄想を
舌には苦くないコーヒーを
意志のない動く屍は
ビロードや紅やら身につけて
醜悪な操り人形は
今日も街を回遊する