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「あっ、こんなのまだあったんだ。」
親から巣立つ頃、押し入れから発見された彼は、すでに「単なる物」扱いです。
そして懐かしい再会の後には、焼却という永遠の別れが待っています。
その一連の流れには、例え様がないほどの理不尽さが漂っています。
けれども彼ほど幸せなぬいぐるみというのは、世界中を探したってそうごろごろいるものではありません。
おおよそ彼は、よろこびも悲しみも一方的に肯定する力を持って、神様から遣わされたのでありましょう。
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