紫陽花

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        きみと別れて一年が経っただろうか。 ふときみがよく身につけていた香水の匂いがした。 ただその香りだけできみを思い出す、こんなに時間は経つのに。 きみと過ごした日々が懐かしくて、恋しくて 気付けばまた涙を流していた。 僕はあれから何も成長していなくて、本当に弱いままで。 涙が枯れるまで只泣いていた。        
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