紫陽花

3/10
前へ
/127ページ
次へ
        一年前 気持ちはすれ違いばかりだった。 あの雨の日の別れ際、傘はひとつしかなかったのに僕はきみを置いて浮気相手に会いにいったんだ。 『濡れたくないから。』 と一言だけ残し。 あの時僕はどうしてきみを選ばなかったのだろう。 帰る場所はきみの元だったはずなのに。        
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加