空の園で恋をして

ヘリクツ

「行ってきます。ゴミ出しとくから。」

「いってらっしゃい。今日こそ彼女つくるのよー!!」

「余計なお世話だよ、全く･･･。」

外は5月にしては暑いくらいだった。
これもコンクリートと地球温暖化のせいに決まっている。
･･･それと、周囲で暑い中くっついてイチャついている恋愛中毒者達も原因だろう。

ほとんどの人間は10代にもなると、恋愛をしたいという欲望が芽生える。
その欲を満たすために、人は好きな異性に告白し、実れば付き合い、実らなければ深く気落ちする。

そして実り、カップル成立となった二人は四六時中イチャイチャイチャイチャする。
平日は学校でイチャイチャ。休日は街中でイチャイチャするのが、カップルの行動パターンである。

そして僕の通う空園学園は、近年多数の学校と統合した生徒数が日本一の学園だ。
そんな学園では、クラスの半分以上が彼氏もしくは彼女持ちだったりする。
ちなみに僕のクラスでは、僕ともう一人の男子を除いてはカップルである。

なんだかんだ読者の神様方に説明している内に学園に着いた。
正門の前にも、学園の敷地内にも、下駄箱周りにも教室にも廊下にもカップルがうじゃうじゃといる。
その暑苦しい中をくぐり抜け、４階の1年Σ組の教室に入る。
そして机にへばり付くように伏せたのだった。