love is over

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スモークの貼った窓を開ける。 一気に車内に風が流れ込み、私の髪を弄んだ。 左手で揺れる髪を掻き揚げ、顔にかからないように除けて、窓の外を眺める。 鼻を掠める潮の匂い。 ……窓の外には、瀬戸内の海が広がっているのだろう、深夜の暗闇にザザーンと波の打ち付ける音が聞こえていた。 運転席の彼を盗み見れば、相変わらず仏頂面の何を考えているか分からない表情で運転をしている。 真っ直ぐに伸びた背筋に測ったように十時十分の位置で握るハンドル。 そのすべてに、彼の几帳面さが滲んでいた。 私の視線に気付いたのか、彼が目線をズラして、此方を窺いだしたので、慌てて目線を窓の外に戻した。
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