イラつく気持ち

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コンシェルジュの安原 亜季(ヤスハラ アキ)さんが、運ばれてきた料理を並べられるように、何処からか持ってきたテーブルごとセッティングする。 ……此処まで来たら、出前というより、ケータリングサービスだよ。 2人ではとても食べきれそうに無いフルコースが温度管理のできるワゴンで運び入れられ、 家具の無かったダイニングに高級レストランを彷彿とさせるようなテーブルセッティングが成され、背もたれの高い椅子が2脚置かれて、進藤さん、私の順に椅子を引かれた。 さすが執事さん…、怖いほど良く働いてる。 安原さんは、部屋にダイニングテーブルが無いことも知っていたようで、テーブルまで手配して、食事の準備、そしてサーブまでしてくれた。 私達の前に、スープからフルコースの順番に出される料理。 それは、近くのホテルで作らせたモノで、味も申し分なかった。 ……ただ、二人の空間に、この安原さんと言う女性が入り込んで、馴れた手つきでサーブする様が、私の心に影を落とす。
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